伝統工芸品の制作風景のライブ展示「MoN手しごと屋台」
開館記念イベント「MoN祭(フェス)」は、「100年先に文化をつなぐ」をミッションとするMoN Takanawaに多様な文化人が集い、あらゆる文化を讃え、文化がはじまる瞬間を喜ぶ「文化の祝祭」。展示やステージなど幅広いプログラムを展開しました。
4月1日から1階パークテラスを囲むようにずらりと並んだのは「MoN手しごと屋台」。16名の日本全国の匠、伝統工芸の担い手たちが週替わりで登場し、自らの制作風景“手しごと”を披露するとともに、作業場を再現した屋台の中で工芸品を展示しました。
【福島】デコ屋敷本家大黒屋
福島県で300年以上続く張子づくり。ぬれた和紙を型に強く押し付け形作った人形を色付けていきます。手しごと披露期間中にも、たくさんの作品に色が付き、顔が描かれていきました。
【群馬】canoan座繰り染織 中野紘子
群馬県に江戸時代から伝わる上州座繰り。繭から絹糸を挽き、草木で染め、手織り機でゆっくりと織り上げています。繭や織り作業に釘付けになるお子さんたちの姿が印象的でした。
【千葉】中村航太(江戸組紐中村正)
糸を組玉につけるところからはじまり、模様を逆算しながら糸を束ねた紐を複数組み合わせていく組糸。実は組む前の準備がほぼ半分を占めるほど、手しごとの積み重ねによって作品が生まれています。着物の帯締めなど和装文化を支える技術です。
【石川】加賀水引 津田六佑
立体的な水引細工・折型が特徴の加賀水引。初代・津田左右吉が考案した立体的な折型や水引細工が約100年経った現在でもベースとなり制作が行われています。
【山梨】印伝の山本 山本裕輔
甲州印伝とは、山梨県に伝わる鹿皮に漆で模様をつける伝統工芸品。多様で細やかなパターンが美しい日用雑貨が生活に華を添えます。
【長野】未空うるし工芸
古くから漆工町として栄えてきた塩尻市木曽平沢に工房を構え、伝統技術を受け継ぎつつ、新しい漆塗り製品を生み出しています。今回の展示にもかっこいい作品が並びました。
【京都】風彩染一真工房 洋平
風をテーマにぼかし染めの技法を用いて着物を染めている。やわらかく美しい、そよぐ風に包まれるような心地の良い色合いに、多くの方々が目を引かれていました。
【熊本】肥後象嵌 稲田憲太郎 光秀
熊本県で刀剣の鍔(つば)の装飾として育まれた肥後象嵌。地金を錆色のみで深い黒に仕上げ、金銀を打ち込んで紋様を描きます。
【岩手】十六代 鈴木盛久
約400年もの間、伝承されてきた南部鉄器。受け継がれた伝統技法をもって、茶釜、鉄瓶などの鉄器を制作しています。今回の展示では、型作りを実演していただきました。
【東京】宗達アートクラフト 上川宗達
約5,000年の歴史をもつ銀と、古くから日本に伝わる刀をつくる技法・鍛造(たんぞう)の応用である鍛金(たんきん)技法を用いた工芸品の数々。繰り返し叩き上げる様子を披露しました。
【神奈川】中津箒 吉田慎司
幕末・明治の頃からつくられている伝統的な座敷箒である中津箒(なかつほうき)。伝統的な技術を残しつつ、現代の生活にあった新しい箒を編む様子を披露しました。
【静岡】挽物所639 百瀨聡文
こちらの屋台では、門のような形をした「mon stool」を制作。なかなか目にすることのないパーツを削り出す大胆かつ繊細な技術に釘付けとなりました。
【三重】型屋2110 那須恵子
着物や浴衣を染める伝統的工芸用具「伊勢型紙」。細かく複雑な模様を型に彫っていく様子を披露しました。
【奈良】翠華園 谷村彌三郎商店
茶筌の制作風景を披露。流派によって異なる制作方法や素材があることなど、発見のある展示となりました。
【和歌山】家具のあづま
古来から縁起の良い木として知られる桐を用いた桐箪笥をはじめとする生活を支える家具たちを制作する様子を披露しました。
【鹿児島】絵付ケ舎 薩摩志史 室田志保
江戸末期に倒幕運動などの軍資金を得るために制作された「薩摩ボタン」。その当時の生活風景や花鳥風月など、華やかで日本的な絵柄が特徴。絵付けのみならず、多くの工程を経て完成する様を展示しました。
小さなお子さんから大人まで、職人と直接話したり、職人の気配を感じたり…手しごとを通して日本の伝統に触れる展示となりました。
企画協力:川又俊明(Think-Sync inc.)
