1928年生まれ、1989年没。
日本のマンガおよびテレビアニメーション文化の基礎を築いた、日本を代表するマンガ家であり、その革新的な功績から「マンガの神様」と称されています。
映画的なカメラワークを思わせるコマ割り、豊かな感情表現、そして長編による重層的な物語構造をマンガに持ち込み、新しい表現領域を切り拓きました。
『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『ブラック・ジャック』『火の鳥』など数多くの代表作を通して、生命の尊さ、人間の在り方、科学と倫理といった普遍的なテーマを描き続けました。その影響は世代や国境を越え、現在のマンガ・アニメーション、さらには映像表現全体にも及んでいます。
手塚治虫の作品は今なお読み継がれ、創作の原点として国内外で高く評価されています。
「火の鳥 未来編」は、全12篇から構成される『火の鳥』シリーズの一編です。
シリーズの中でも最も先の時代となる、西暦3404年以降の世界を舞台としています。
本作は1967年に発表され、地球環境の荒廃や人類社会の変質、人工生命の研究などを背景に物語が展開されます。作中では、AIやクローン技術を想起させる要素が描かれており、当時の科学観や未来像が反映されています。過去から未来へと連なる『火の鳥』全体の構成の中で、「未来編」は人類の行き着く先を描くエピソードとして位置づけられています。
(画像提供:朝日新聞出版)