〈WORK 01〉D | Hayato Sumino + Daito Manabe
音楽家・坂本龍一が遺したMIDIをはじめとする演奏データや映像などの記録と、角野隼斗、真鍋大度の現在の表現が交差するオーディオビジュアル・パフォーマンス。
坂本龍一の音楽から多大なインスピレーションを受けてきたピアニスト・角野隼斗と、生前の坂本と数々の協働を重ねてきた真鍋大度。角野による坂本作品の演奏を軸に、坂本の演奏データを用いた自動演奏ピアノとの共演やフレーズの受け渡しを通して、記録された演奏と生演奏による音楽的な対話を紡ぎます。さらに、坂本が取り組んだサウンドスケープや電子音楽にも向き合い、ピアノの枠を超えた音の表現に挑みます。
真鍋は、坂本の過去のデータに加えて、2020年に自らライブで取得したデータをもとに音と映像を構築。坂本が遺した記録と角野の演奏を、音と映像が広がる空間の中で結びつけます。スペーシャルオーディオによる立体的な音響と映像演出を通して、坂本と角野の演奏が空間の中で交わり、時空を超えた音楽体験を生み出します。
〈WORK 02〉Opus — dialogue | Ken Furudate + Satoshi Hama
坂本龍一による生前最後のピアノ・ソロ演奏を記録した長編コンサート映画『Opus』。本作は、残された演奏データをもとにした世界初の舞台作品です。ダムタイプ(Dumb Type)のメンバーとしても多岐にわたる活動を展開する古舘 健と、長年、坂本龍一と主にインスタレーション作品などで協働した濵 哲史。両者は「LIFE – fluid, invisible, inaudible…」以降のインスタレーションや、展覧会「seeing sound, hearing time」、舞台作品『TIME』などにおいて、中核となるエンジニアリング/テクニカルワークを担ってきました。〈WORK 02〉ではこの二人が『Opus』を新しいオーディオビジュアル作品として構築します。
坂本龍一が遺した演奏データ(MIDI)には、一音ごとの強弱や間合い、ペダルの操作が全て克明に記録されており、そのデータによってピアノの鍵盤やペダルが動き、物理的にハンマーが弦を打つことで会場に生の音が生まれます。器楽が曲を奏でるという枠組みを超え、研ぎ澄まされた「音」そのものとなって空間全体に響き渡ります。
幅21m×高さ9mの巨大LEDスクリーンが描き出す広大な映像演出のなかで、目の前で鍵盤が沈みハンマーが弦を叩くピアノの圧倒的な存在感。映像のスケールと、生音ならではの研ぎ澄まされた物質的な緊張感が交差する、新しい音楽空間を全身で体感してください。
なお本公演は、「program A」「program B」の2つのプログラムで構成されています。『Opus』収録曲の「Merry Christmas Mr. Lawrence」「Aqua」「The Last Emperor」などを演奏予定です。
Opusについて
『Opus』は、坂本龍一がこの世を去る半年前、2022年9月に8日間をかけて収録した、最後のピアノ・ソロコンサートです。2年以上に及ぶ闘病生活のなか、坂本が「日本でいちばん音のいいスタジオ」と評した東京のNHK509スタジオで、長年愛用したヤマハのグランドピアノに向かいました。
代表曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」、最後のオリジナルアルバム『12』からの楽曲、そしてYMO時代の「Tong Poo」など、自ら選んだ全20曲を通して、その音楽の軌跡をたどります。
全編モノクロームの映像が映し出すのは、一音一音を慈しむように奏でる指、息遣い、そしてその手に刻まれた時間。静かで美しい演奏は、儚く、心に深く響きます。
コンサート映画として公開され、その演奏を収めたCDも発売された『Opus』は、坂本龍一が最後まで音楽に向き合う姿と、一音一音に込めた思いを伝える作品です。
Opus HP : https://www.bitters.co.jp/opus/