MoNのデザイン
ブランドコンセプト
文化をつなぐ
人々の価値観や生き方は、決して消えてしまうものではありません。変化することはあっても、その本質は変わらずに、私たちが生きる時代や文化に合わせて姿を変えながら更新され、引き継がれていきます。そうした変化や継承のかたちは、これまで集められてきた工芸品や受け継がれてきた伝統、そして何世紀にもわたって人々と共に祝い、分かち合ってきた記憶の中にも見ることができます。
MoN Takanawa: The Museum of Narrativesでは、私たちの文化的な時間軸を「ある人が生きた時間」や「ある特定の時代」といった、直線的な期間とは捉えていません。時間はもっと相対的で、非直線的であり、多方向に広がるものだと考えています。
ここでの「時間」は、スパイラルのようなものであり、過去の出来事や未来に起こること、すべてとつなげてくれます。私たちは時間を通じて織り成され、常に動き続ける物語の一部なのです。
私たちのアイデンティティもまた、前へ、後ろへ、そして周囲へとループしながら、文化の流れを映し出し、また組み立て、未来の物語との対話をつくり出していきます。文化は、こうして文化は私たちを運んでくれるのです。
館名
「The Museum of Narratives」の頭文字「MoN」には、「問」と「門」、ふたつの意味が込められています。「問」は、テーマやプログラムを通じて社会に投げかける問いであり、同時にみなさんが自分自身の内なる問いと向き合うきっかけでもあります。「門」は、高輪ゲートウェイという地名との親和性を持ちながら、伝統とテクノロジー、アートとサイエンス、都市と自然、パフォーマンスと展覧会など、多様な分野をつなぐ入り口でもあります。そしてそれは、訪れる人が未知の世界や新たな自分に出会う扉でもあるのです。MoNは、さまざまな「物語=ナラティブ」から、新たな自分と出会う「問=モン」を受け取り、自分だけの「門」を開く場所です。
ブランドデザイン
文化は、決して静止することはなく、螺旋を描き、移り変わり、そしてまた戻ってきます。時間と空間を超えて物語を紡ぎ、運んでいきます。MoNのブランドアイデンティティは、この考えを反映し、様々な人や思想、経験が交差する多次元的な流れによって、過去と未来をつなぎます。
この考えをビジュアライズしたのがこのロゴです。外装デザインを想起させ、「M」「O」「N」と読むことができるスパイラル状のロゴの形は、常に進化し、生きている、物語のループを表しています。また、高輪の豊かな自然をイメージした「太陽」の赤、「大地」の緑、「海」の青で構成されています。
このロゴは、グローバルな共通言語であると同時に、地域に根ざしたデザインであり、物語のミュージアムとして「文化を単に保存するだけでなく、更新し、常に新しく生まれ変わる場所でありたい」という当館の想いへの視覚的な入り口となっています。
ブランディングパートナー:Pentagram Limited(ペンタグラム)
外装デザイン
TAKANAWA GATEWAY CITYの文化のシンボルとしてデザインされたこの建築は、地上6階、地下3階で街唯一の低層構造を採用しています。木材をふんだんに用いた、大地から空へと昇るようなスパイラル状の外装デザインは、大地と空、過去と未来とが、回転運動によって接続されます。館を彩る植栽のほとんどは日本の在来種で構成され、四季を彩る花々から、日本の季節の移ろいを感じられるのが特徴です。
外装デザインアーキテクト:隈研吾建築都市設計事務所
